凡そ9年前、若かりし私はリーマンの直後に港区某所駅前に不動産を購入しました。当時は今よりも知識・経験が浅い状態でしたが、東京の一分エリアは底堅く、いずれ回復し、ニューヨークやパリのように高値安定するという自信がありました。
3,000万控除の関係で昨年売却してしまいましたが、購入時より3割高く売却できたので、通常は減価することを踏まえれば結果として当たったことになります。不動産市況は現在もまだ粘ってますね。
不動産市況全体については、よく言われる2020年オリンピック云々だけでなく、その後やってくる生産緑地の2022年問題、想定しないリスク等々ふまえると、個人的には5年単位で見てネガティブな予測でおります。
しかし、若かりし日に私自身が言っていた都心高止まりの主張は今なお、前提として崩れていません。日本という国は、外国人から見て、治安や食文化の水準から見て非常に魅力的な国です。彼らが買い支えてくれる限り、港区を中心とする山手線の内側の区は値が下がりにくいはずです。
2011年の震災の際は放射能漏れに起因する風評から関東全体が敬遠され、また昨年は北朝鮮のロケットによる緊張もありました。北朝鮮あたりはまだまだ記憶に新しいですね?一時は本当に首都圏へ飛んできてもおかしくない状態までいきました。
しかし、これらのリスクは峠を越えました。まだ大地震の可能性は残り続けますが、これは現時点の値に反映されており、時間とともにリスクが正確に値に反映されるものではありません。
一方、郊外は人口減少の煽りを受け、どこかで聞いた「負動産」と言う言葉が今後定着しそうです。私も残念ながら一部保有してしまっているのですが、地方に持っている方は損ですね。今後オーナー不明の不動産が増えてくるでしょう。
これらを踏まえて不動産を生業をする不動産業界は、軒並み長期でみると、大手中小問わず不透明と言われています。業界を支えるキーとして誰しも意見が一致し共通するのは外国人の投資による下支えです。
私個人の私見としては、前述のように都心中心部の不動産自体は力強さを維持すると考えていますが、この支えがどこまで及ぶかわからないので、業界全体を支えるにはやや厳しいかという印象です。
かつてゼネコンや不動産業界の監査をしたこともあり、会計士では業界には詳しい方と思いますが、リーマン後から2011年の地震まで、公共工事が乏しく、どこも厳しい状態でした。不況で下請けでの競争が厳しくなり、単価もどんどん下がる厳しい状態でした。今は真逆です。
建設してほしくても、ゼネコンが忙しくてしてくれませんもんね。最近、製造工場拠点建設を新設する際に思い知りました。
不動産業界の盛り上がりは日本経済活性化、売り手市場にも関係します。できるだけ長く維持したいものですね。