皆さまこんばんは、プンクスです。
本日各種メディアで報道されましたが、民間シンクタンクのパーソル総合研究所と中央大学経済学部が共同で、「労働市場の未来推計 2030」と称して、総務省のデータから未来の労働市場を予測するレポートを発表しました。
これは、2016年に発表した2025年版をより精緻化したもののようです。
このレポートによれば、人手不足数(未充足求人数)は下記の通り増加していくとのことです。
2017年実績:121万人
2020年予測:384万人
2025年予測:505万人
2030年予測:644万人
賃金は10年で10%程度上昇する見込みのようです。
ちょっとこの結果だけ見ると違和感がありますね、今の5倍ですか。
更に職能別にみると、驚くべきことに、
我々会計士が含まれる「専門的・技術的職業従事者」については、カテゴリの中で
トップの人材不足数でした(212万人)。報道ではひとくくりにサービス業が不足すると報じられています。
しかしながら、浮かれるわけにもいかないようで、この内訳をみると、「研究者、製造技術者、情報処理・通信技術者、医師、保育士、裁判官、公認会計士、教員等」とあります。
明らかに技術者、情報・通信技術者、保育士に人数が偏ってそうな気配を感じますね。どちらかというと弁護士や会計士で分類してほしかったですが、内訳を知りたいところです。
なお、地域別にみると、やはり東京がトップ(133万人の不足)で、次に神奈川(54万人の不足)と続きます。意外にも大阪は13万人の不足と伸びませんで、首都圏に集中していることがよみとれます。全体的にマイナスの傾向ではありました。
2030年の644万人の不足をどのように補うか、という内容がレポートの後半を占めますが、要約すると、下記の通り不足分を補う必要があるとのことでした。
女性の参加→102万人
高齢者の参加→163万人
外国人の参加→81万人
生産性向上→298万人
内訳の根拠はともかく、女性の参加については限界がありますね。女性の働きやすい環境整備といっても、求められる正しい環境の把握は難しいものがありますし、出生率にも影響するところかと思いますから、思い通りに増やすのは容易ではないでしょう。
加えて、AIに期待する生産性向上はどうも変数として、残りそのままあてはめたような数字に思えてなりません。
因みに、今後数年の我々公認会計士の需要だけを考えてみると、一件良い数字のようにも見えますが、内訳を良く見ると怪しいものです。この内訳を発表してほしいところですね
レポートの末尾に、外国人労働者の雇用は全体の平均賃金を下げる恐れがあると但書がありました。これは納得できるものがあります。
外国人労働者の多くは賃金が安くても喜んで日本に来てくれます。海外会計税務を一通りこなせるフィリピン人会計士は最低時給に基づいた金額でも来てくれますし、有能です。決定的な違いは、日本語を話せないという点だけです。
冷静にライバルとして考えれば、脅威と思いますよ。
このように、会計士自体は決して安堵できる状況ではないと考えますが、まだまだ市況の売り手傾向は継続すると考えて良さそうです。