みなさまこんばんは、プンクスです。
今日は研究開発費についてお話します。
まず研究開発費の定義や税務上の取り扱いについてはご存知の通りです。
研究開発費は費用計上し、加えて「試験研究費の総額に係る税額控除制度」に基づいて、そ試験研究費の額の一定割合の金額をその事業年度の法人税額から控除することができます。
この点、ソフトウェア製作費と会計処理が異なることから、同業種間で会計ポリシーが大きく異なります。
ソフトウェアの場合はソフトウェア仮勘定として、いわば仕掛品、工事物件と同様の処理が求められます。これにより、ソフトウェア業界では人件費、外注費などを含めて製作費としているケースも多いようです。
有名どころではドラクエで有名なスクウェア・エニックス・HDですね。こちらスクエニにはコンテンツ制作勘定なるものがあり、2018年3月期には441億円が計上されています。
販売後の償却方法は教科書通りの償却となりますが、発生年度に費用とするか資産とするかの選択は非常に業績に大きなインパクトを与えます。
この点、スクエニの研究開発費は、スーパーマリオの任天堂が640億、パワプロやグラディウスで有名なコナミは271億、バイオハザード、ロックマンで有名なカプコンが290億と、これらと比べても10分の1以下です。
スクエニはこの費用計上分を先端技術研究として、資産計上しているものとは区分しています。会計基準上ですと、「著しい改良」ですね。
資産計上しても、開発中止などにより原価性を有しなくなったものは、評価損として経常的に原価へ落としています。2018年3月期は62億円が計上されています。
このコンテンツ制作勘定も5年で倍増しているようで、年々重要性を増していきます。このように、色々な試みを企画し、考えるのが企業側、それを監査するのが監査法人。皆様、どちら側につきたいですか?
規模の差はありますが、企業内会計士として民間に入った場合、このような判断を企画したり、意思決定する立場として多くは期待されています。
大変な責任ですが、やりがいはある仕事かと思います。
※今回、利害関係のない特定の企業の財務諸表数値を用いてお話をしています。情報の誤入力をしてしまう可能性もありうるため、情報の正確性については必ずご自身でお確かめください。