ここ数年、本当に売り手市場が続いていますね。
実際、当社も人手確保に大変です。なぜなら、このご時世、もっと条件のいい会社は世にいくらでも存在するからです。
数年前は、面接する我々が確実に選んでいたのですが、今は面接が進むに従い、選ばれる側になってしまうことが多いです。
これは特に内定前後に顕著に現れ、あれだけいい感じで終わったのに、急に辞退というケースは日常茶飯事。最近は内定後の条件提示時に条件をつりあげようとする方も多く見られます。
新卒のニュースがよく流れますが、今の大学生は幸せですね。一方氷河期に入社したのに新卒のご機嫌を取らねばならないリクルーターの方には心底尊敬申し上げます。
この売り手市場がいつ届くかというテーマですが、これまでの世論では、構造的な問題もあり、まだ門が閉まる兆候はないようです。
しかし、会計士の皆さまはご存知の通り、監査法人は専門家の集団であるにもかかわらず、全体として計画的な採用・運営ができておらず、売り手と買い手をより短い期間で繰り返しています。
事実、売り手市場を支えるそれぞれの採用企業は、来年採用できる見込みがないから今採用するというスタンスの会社が多いようです。これ以上売り手になる見込みもない以上、市場が縮小し始めれば早い可能性もあります。
これを引き起こす可能性があるのは、リーマン級のイベントで円高になった時です。
当社も輸出企業ですが、以前ほどではないにせよ、やはり円高が企業に与える影響は甚大です。ドル円が100円を割り、90円を割るようになることがあると、企業それぞれの集積として、直接的に日本全体でダメージを負います。
70円/USDの頃は本当に辛かったですよ。皆さまに聞くのは失礼な話ですが、なぜ辛いか、具体的にお金の流れでピンときますか?
例えば、海外顧客が円建で輸入した支払代金を支払うため、現地通貨を円に買えて送金する時、円高の名の通り、高い円を購入して支払うのは厳しいですよね。だから、顧客にとっては値上げなんです。日本法人の我々の給料は毎月同じその高い円で支払うのに。
このように、現時点でいくら日本企業が活況で売り手市場でも、海外景気次第で軽く吹き飛びます。十分に情報を得て、転職する予定があるのであれば、乗り遅れないように備えを十分にして頂ければと思います。
具体的な所としては、履歴書と職務経歴書は予め作っておくと良いですね。質の高い職務経歴書作成はやはり時間がかかります。