みなさまこんばんは。プンクスです。
転職後、海外現地法人の設立、子会社管理、移転価額のお仕事に携わる方は多いと思います。この際、常識として知っておく必要があるのが外為法です。
外為法(外国為替及び外国貿易法)は、戦後の日本の対外取引を原則禁止とすべく、1949年に制定されました。この後、下記のように改正されて、現在に至っております。
1980年:対外取引が原則自由になる。
1988年:事前の許可・届け出制度が原則廃止
2010年:①技術移転規制強化②技術取引に関わる仲介取引を規制対象③輸出者等遵守基準の導入
ここで留意すべきは、貨物(モノ)の輸出のみならず、技術提供も規制対象となることです。
技術提供の対象:設計図、仕様書、マニュアル、試作品などの技術情報を、紙、メール、CD、USB、メモリ等の記憶媒体で提供することも含みます。加えて、技術指導、技術知識の提供、セミナーによる技術供与も含まれます。
これらが、国際平和及び安全を維持するための輸出規制を基礎としますが、「リスト規制」と「キャッチオール規制」があります。
リスト規制は兵器、または兵器の開発に転用できる汎用品で、輸出するには事前に経産省の許可を必要とします。キャッチオール規制は、後に加えられたもので、リスト規制品目以外でも、木材・食品以外のものの輸出で、その用途や需要者に兵器の開発に関する懸念がある場合に、一定の要件のもと、輸出許可が必要になるもののことを言います。
押さえておきたいポイントは、外為法の対象はモノだけでないということです。
問題がない会社ほど対応がずさんなケースが多いので、まずは貿易部門でこの意識があるかどうかから確認すべきです。輸出停止などの行政処分などが起こってからではどうしようもないので、もし海外関係のお仕事に携わると、自ら勉強して意識するようにしてください。多くの会社は突っ込みどころがあります。
また、この外為法の遵守について、定期的に外部監査を受けるよう推奨されますが、外部監査を行うのは実は監査法人です。外為法を専門的に扱う専門家集団がいないためです。外為法に精通していれば、監査法人にいても、役立つ時が来るかもしれませんね。
このように、会計士と外為法はそれほど遠くなく、現場で力を発揮しやすい所となりますので、将来のスキルアップにおすすめの法律です。