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財務関係

企業内会計士の銀行との付き合い方

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こんばんは、プンクスです。

今日のテーマは、銀行の付き合い方。
私の得意分野です。会計士であれば皆、やりやすいポジションですけどね。

私は凡そ7年、銀行対応の責任者として、某区のメガバンク3行他、
お取引があり、各支社長、支店長様と3,4代にわたり懇意にさせて頂いております。
詳細は語りませんが、楽ではない時もありましたので、色々語れることがあります。

まず、銀行との付き合い方は下記のように分けられると思います。

  1. スタートアップで銀行との付き合いが始まったばかりの会社
  2. 既に付き合いが長いが、総資産に対する融資の割合が高く、与信を既にフル活用している会社。
  3. 本来融資する必要はなく、留保利益、キャッシュともに潤沢だが、今後に備えて付き合いで融資を受けている会社。

この点、3の会社は、極めて低利率で融資を受けている会社でしょう。
会社の業績、信用だけでやっていけますので、担当が会計士である必要はありません。部下に譲って、より難易度の高い仕事を志したほうが良いかもしれませんね。

一方、1,2の会社は、どちらかというと、厳しい状態または油断ならない状態にある会社かと思います。銀行との付き合いにおいて最善の条件を引き出す必要があります。

この点、初歩の初歩からお話します。まず、

支社って何?支社長代理って何?

同じエリアに支社長と支店長がいることがあります。これはどちらが偉いんでしょう。

これは圧倒的に支社です。支社は法人中心に、必ずしも区にとらわれず、特定の法人と結びつきます。

銀行さんの肩書きは、支社長の下に副支社長が、あと数人の部長、次長、課長、主任、肩書なしと大きく分かれます。

では、支社長代理というポジション、よく見ますが、どこに入るでしょうか、、、
支社長代理と聞くと、副支社長とどちらが?と疑問に思うかもしれませんが、
概ね課長と同程度と解釈して差し支えないです。
ですが、様々な理由で勝負の年の方が多いです。

銀行とのお付き合いにあたり、支社長と会社の付き合い方で、自社の評価がわかります。お酒の席があったり、頻繁に支社長と接点がある会社はある程度の評価を得ていると考えてよいです。
メインで融資がそこそこなのに接点がない場合、少し取り組みに問題があるのかもしれません。

では会計士の皆さまが、何を意識していくか銀行とお付き合いをどのようにしていくかですが、、、ここからはよくある銀行対応マニュアル本とは異なる点もあると思いますが、実務面からご参考になればと思います。

①基本スタンス

会計士の皆さまであれば、提出資料に関して、特段意識して小細工する必要はないです。

誤解を恐れずに言うと、会計士の方で、会計・税務面の能力的なところで銀行の方に遅れをとることはまずないです。誠実に約束事を守って対応することで、自然と信頼が積み上がります。

このため、資料の形式、数字の見せ方、説明の仕方、タイミング。このようなところは、教わるところはないはずです。

これらの小細工は能力を実証するためのもの。かつて監査法人で調書を作成していたときのように、粛々と正しい資料を作成するのみです。

毎月の試算表に提出に加えて、資金繰り表(キャッシュフロー)、融資残高推移、適時事業計画、直近の出来事(監査で言うと重要な偶発事象)の報告。
作成提出資料はこれぐらいで十分。あとは個々の精度です。

銀行のご担当は、会社の専門家としての会計士としての信頼性を図ろうとするでしょう。会計士に対して、能力としての疑いは通常してこないです。この信頼の基準は嘘、ごまかしがないかどうか。ここで信頼性が得られる限り、これ以外の小細工は不要で、徒労です。

②担当者が喜ぶことを実行する。

要所で、銀行のご担当者が一番喜ぶことを意識しましょう。
それは顧客満足度の向上。直接的には、上司の前で担当者を褒めることです。

良い関係が築けていれば、自然と感謝の気持ちと一緒に言葉に出てきます。
言うのは簡単、支出もありません。最高のコストパフォーマンスです。

仕事上よくあるのですが、銀行は内部のチェックが厳しいため、融資契約書や書類の受け渡しで、銀行都合により些細なことで差し戻しになったりすることがあります。

このような時、手間がかかっても愚痴を言ってはいけません。むしろ受けれる範囲であれば責任を自分のせいにしたりして、できる限りフォローしてあげましょう。

最後に些細なことですが、銀行担当者を褒める際に、他行と比較しないようにすべきです。担当者にもよるでしょうが、他行を悪く言うということは、逆もありうるということです。個人の信頼性にかかわるところなので控えましょう。

③複数銀行と取引して、相見積もりを取る。

②の通り、口頭では他行で比べてはいけませんが、融資条件については徹底的に比較してください。公平な判断基準のもと、利率など融資条件をどんどん改善できます。

これに応じて、取引銀行も複数にする必要があります。

金融機関も銀行のカラーに応じて大きく異なります。
一般的によく言われるのが、下記a,b,cのうち一つずつ選んで、計3,4行。

a メガバンク2行程度
b 商工中金orりそな
c.地元信金

それぞれ信用度と借りやすさのバランスを取ったものですが、リスクヘッジのため、少なくとも3行は欲しいところです。

このように、会計士という土台があるおかげで、スタートラインで有利にいることは間違いないです。銀行評価のうち、会社の経理レベルが信用に足るか、という項目については高い評価を得やすいです。資格・能力を活かして有利に展開頂ければと思います。

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